亜きら - 抒情の部屋 -

初めまして。 京都SMクラブ傀儡堂、京都バルバラに所属している亜きらと申します。 素敵な時間と世界を共有しましょう。

調教記録

視線を絶やしたい。
もちろん視覚を奪うことで自己の内部へと感覚を鋭くさせる意図もある。
あえて私の視線を効かせる事もいい。 

ただ変態達の時に濡れたような、時に頭の回路千切れたような、何もかもを映し出すあなた達の瞳を遮断したくなる。

しかしあなた達は私の姿をしかと瞳に焼きつけておきたいことも知っている。
すべて、おおよそ私は知っている。

知った上での行為である。
終えたとき、ずっと見えなかったのが辛かったと言う。
そうでしょうね。
次は容易く視界を返して貰えるといいよね。


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縛られると、縄で抱かれているみたいと言う人達がいる。
また縛られているのに解放感を裡に抱くと言う人もいる。
 
呼吸する音、吐く息、呼吸のまあい、背後にある気配、髪の触れる感覚、肌と肌が擦れる感覚、温感、それら全てを感じ入られるほど縛られる事に没入させたい。
私は縛っていたい。
人を。他者を。私に取り込むように。

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"動けない状態にする"という、拘束する意味だけではない縄を使った私とあなたのやり取りを、私は愛する。
身も心もゆだねきった人々の肉体を覆う肌は、外側の緊張を絆していくと、よほど柔らかい。






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お盆が明けた。
今年のお盆期間は、私を求めて会いに来るマゾ達のおかげで忙しく過ごせた事に愛と感謝を抱いている。
私ひとりでいたって女王様ではおられぬから。

大切にしたいし大切にしてほしい。
それでいて、然程大したことでもないと思っていてほしい。
日常に溶け込むように私が存在しているとするのなら、容易な存在として胸に留めていてほしい。

いつか終わってしまう事があったとしても、心残りなきよう思いは伝えるべきであり、後悔したとしても私たちはともに存在していたと抱き締めるべきである。
思い出を。


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母が亡くなって十年。
初めて母の死んだ山に登った。
空は高く澄むように青く、風が冷たいほどに快かった。
鳶が風に舞う姿を見てもそこに母を見ることはなかった。
尾根づたいに歩く不思議さ、山の天辺にいる私、山の麓で最後を迎えたらしい母。

お盆に帰ってくるという死者の魂に触れられるなら、そう思って去年亡くなったみー様の事も祈った。願った。
誰にも会えなかった。

それを救われなかったと誰が言う?




九月も会いましょう。





暑い日が続く。
汗をかいた皮膚でさえ、愛おしいと思える感覚を知っているか。


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日常に溶け込んだようなSMが好き。
私のためにその時間、あなたたちが選択したその時間のあいだ、私のために存在していてほしい。

私がなにもしない事を選んだとき、ただそれを受容できる子は、なんとなくお互いの行き交う呼吸や混じりあう空気感でわかる。
肌が触れそうなとき、触れるまでのあいだ、触れたあと。
そのすべてを体感できる感覚を共有できる。

非常に微細なことで、それがすべてではない。
とは言え言葉を要せずとも柔らかな空間を二人で構築できる心地よさ、それが下地にあるうえでの支配関係というのは妙なるものであると思っている。

助長過ぎる言葉や華美過ぎる言葉も好きではない。
それは私が言葉を愛するがゆえである。
そこに彼らの真髄がある、と伝わる言葉は存在する。
また言葉など一切なくとも胸に到達する情感というものがしかとある。

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□傀儡堂出勤について□

八月

13日(火)16日(金)
19日(月)20日(火)
28日(水)30日(金)


秋への移り変わりを季節ははじめている。
あなたたちはどうするの?





ズタボロになってほしい。
ずっと正座してるだけ、ずっと袋被せてるだけ、縛って放ったらかしにしてるだけ、それだけでもなんでもいい。

私へ身も心も捧げるんだという思いの丈を、心の内奥を、さらけ出させたいだけ。

なんでここへ、私にわざわざ会いに来たのか?
調教お願いします、の台詞が死ぬほどどうでもいい。
その言葉の意味の深さだけ頭を地に擦り付け、体現し、涎や汗や情けない声を迸らせろよと水無瀬亜きらは思っています。

発出、露見、発露、その扉は私が抉じ開けてあけるじゃない。
何が必要か?ゆだねること。身も心も。身を投じる面持ちの君たちを、愛せます。


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七十を過ぎた老人になって、何十年も昔の若い頃はマゾとしてビデオまで出てたのに、否、出演するほどだったからこそ、何もできなくなった老体抱えてすら求めてしまう。

私に会うため四国からはるばるやってくる。
これを倒錯と言わずしてなんと呼ぼう。

愛しさと可笑しさと堪らなさと。


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数日後すぐに送られてくる手紙はいつも達筆で、いつものお菓子は飽き飽きしてるのについ食べてしまう。
何かを抑制しながら生きることの方が多いなかで、どうしようもない欲求と衝動を抱えて生きられるって、素晴らしい。





体調を崩してしまった。
春の嫌気差す情緒が終わりを迎え、新緑みずみずしい季節がやってきたはずなのに、私の心は燻っていたどころか喉をやられてしまった。

倦怠感に抱かれながらベッドで写真を見返していて気づいた些末なこと。

縛ったマゾと記念撮影するのが好きらしい。
微笑ましい記録であるとともに、私の支配欲がとてもよく表れているなと我ながら感心した。

主役は私でもなくあなた達でもなく、写真に見える関係性そのものなのである。

以上。
体調にはくれぐれも気をつけたまへ。
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私の愛するものは、水と果物とチョコレート、鍋にキティ、そして私に某かを捧げようとする者達。
越えられない壁を隔てた先に猫。





私に会いにくるのでしょう。
私のために遠い道のりをやってくることもあるのでしょう。
苦痛や身体と時を制限されるために。

目的が私との時間のためであるならば、出会ったその一秒でもはや完遂してると言える。
それくらいの思いでやってくるあなた達を私は知っている。
だからこそ床に這いつくばった姿が見たい。

なんなら縛ったままに永久に宙に浮いているでもいい。 
何も身体に不具合が起きなければ。

どれだけの思いでいるのか、身体で知らしめてほしい。
私にどれだけ胸中さえも支配されているのか教えてほしい。

以上


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コロナ中のこと。
オンライン調教というものにて、顔をあわせていた彼がやってきた。

私の聖水を食事にまぶし味わい、私の咀嚼したものを味わう。

そのさまを眺めているのがすき。
それだけ。



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春は憂鬱。四月は辛かった。
特に今年の春は、真綿で首を絞めるというけれど、まさにそんな風にじわりじわりと精神がすぼめられていくようで、私は私でいるより水無瀬亜きらでいる方が楽だった。

とは言え生きるために維持する何かが脅かされるとか、家から出られないとか、そんなことはなく忙しい日々が続いて、だからこそ私は精神のはいった体が窮屈になった。
すべてを春のせいにした。

新緑は瑞々しい。私の心まで潤うように、空も青い。 
そんな、曇り空の朝で向かえる5月。

待ち遠しい。




五年ぶりだった。
相変わらずの犬のままで、私は安心した。
しかし彼は当時よりも晴々とした表情をしていて、実生活の状態がいいのだろうと察した。
それも嬉しかった。

そのなかで私を思い出したという事実さえあればいい。

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殴り、拘束し、濡らし、沈めた。
呼吸を奪う。
私が相手の呼吸を操作する。
酸素が足りなくなって苦しくなって、脳がふらつく感覚が気持ちよく感じるようになって、心地よさに身体をゆだねる。
それが私の手によって与えられた快感だと錯覚する。
錯覚でいい。

久方ぶりに会えたことを、噛みしめていればいい。
私を忘れるときは、私がいなくなるとき。


春の夜の風って、なんでこんなにも鬱陶しいんだろう。






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