亜きら - 抒情の部屋 -

初めまして。 京都SMクラブ傀儡堂、京都バルバラに所属している亜きらと申します。 素敵な時間と世界を共有しましょう。

2024年08月

以前にも書いた、ある事象。
二十歳の頃、私はある女友達と感覚を共有したと思える経験をした。
真夏のこと、青空と海、髪をなびかせる風。
波打ち際にすわり、腰のあたりまで波が寄せては引くたびに、えもいわれぬ心地よさを感じていた。

繰り返し繰り返し打ち寄せる波、まるで海とセックスしてるような感覚に陥ってきて、ふと隣を見ると友人はにこっと微笑んでいた。
同じなんだとわかった。心というか脳が。直感で。
海との一体感と、友人と感覚を共有できたこと、その二つがとてつもなく気持ちよくて、紛れもなくあれは性行為だった。

私が今でも自然を体感したい理由の一つなのかもしれない。
景色を見るだけではなく、風や木々の葉の濃紺や雲の流れ、すべてを体で感じようとする、それが合致する人とは精神性が通いやすい。
性行為に及ばずとも、秘めたることを共有した感覚を得られる。

そしてまた、やはりSMも感覚を共有するものであると思う。
支配する側と支配される側で、例えば痛みを与える、痛みを受けるとするならば、それは痛みを共有していて、その感覚に気づけるのであれば、それは私にとって、とてつもなく悦に入ることと覚えていてほしい。

例えば緊縛をするとして、縛る私と、縛られるあなた達とすれば、私の気配を全身で感じようとするはず。呼吸ひとつ、髪の毛が肌に触れる感覚などあまさず。
これも性行為と呼ぶに似つかわしい感覚の共有、または交感。

与える側と受ける側、凹凸のような心の感じ、それが成立すればぞわぞわ背筋にくる。

わかるでしょう?


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縛られると、縄で抱かれているみたいと言う人達がいる。
また縛られているのに解放感を裡に抱くと言う人もいる。
 
呼吸する音、吐く息、呼吸のまあい、背後にある気配、髪の触れる感覚、肌と肌が擦れる感覚、温感、それら全てを感じ入られるほど縛られる事に没入させたい。
私は縛っていたい。
人を。他者を。私に取り込むように。

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"動けない状態にする"という、拘束する意味だけではない縄を使った私とあなたのやり取りを、私は愛する。
身も心もゆだねきった人々の肉体を覆う肌は、外側の緊張を絆していくと、よほど柔らかい。






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お盆が明けた。
今年のお盆期間は、私を求めて会いに来るマゾ達のおかげで忙しく過ごせた事に愛と感謝を抱いている。
私ひとりでいたって女王様ではおられぬから。

大切にしたいし大切にしてほしい。
それでいて、然程大したことでもないと思っていてほしい。
日常に溶け込むように私が存在しているとするのなら、容易な存在として胸に留めていてほしい。

いつか終わってしまう事があったとしても、心残りなきよう思いは伝えるべきであり、後悔したとしても私たちはともに存在していたと抱き締めるべきである。
思い出を。


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母が亡くなって十年。
初めて母の死んだ山に登った。
空は高く澄むように青く、風が冷たいほどに快かった。
鳶が風に舞う姿を見てもそこに母を見ることはなかった。
尾根づたいに歩く不思議さ、山の天辺にいる私、山の麓で最後を迎えたらしい母。

お盆に帰ってくるという死者の魂に触れられるなら、そう思って去年亡くなったみー様の事も祈った。願った。
誰にも会えなかった。

それを救われなかったと誰が言う?




九月も会いましょう。





暑い日が続く。
汗をかいた皮膚でさえ、愛おしいと思える感覚を知っているか。


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日常に溶け込んだようなSMが好き。
私のためにその時間、あなたたちが選択したその時間のあいだ、私のために存在していてほしい。

私がなにもしない事を選んだとき、ただそれを受容できる子は、なんとなくお互いの行き交う呼吸や混じりあう空気感でわかる。
肌が触れそうなとき、触れるまでのあいだ、触れたあと。
そのすべてを体感できる感覚を共有できる。

非常に微細なことで、それがすべてではない。
とは言え言葉を要せずとも柔らかな空間を二人で構築できる心地よさ、それが下地にあるうえでの支配関係というのは妙なるものであると思っている。

助長過ぎる言葉や華美過ぎる言葉も好きではない。
それは私が言葉を愛するがゆえである。
そこに彼らの真髄がある、と伝わる言葉は存在する。
また言葉など一切なくとも胸に到達する情感というものがしかとある。

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□傀儡堂出勤について□

八月

13日(火)16日(金)
19日(月)20日(火)
28日(水)30日(金)


秋への移り変わりを季節ははじめている。
あなたたちはどうするの?




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