亜きら - 抒情の部屋 -

初めまして。 京都SMクラブ傀儡堂、京都バルバラに所属している亜きらと申します。 素敵な時間と世界を共有しましょう。

2023年12月

久しぶりに大晦日に休日を得た水無瀬亜きらである。
2023年。私が36歳を迎えた年。卯年。

離別や出会いなどの巡り合わせを思わせられる一年だった。
縁や無常すべての自然の為すままを愛したいがゆえに、受け容れられない事象にぶつかると如何に自分が弱いかを、また如何に自分が強いかを知った。

生きているから。
私は生きているし、まだまだ支配していたいし私を求めるマゾ達が群れを成していてほしい。

それだけである。
私はまだまだ上昇する。


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この一年も私に触れられた人達、心を通わせた人達すべてに愛を。



AKILLER







一晩中縛ったまま夜を過ごす。
例えば私の足指が少し体に触れる。肌から脳へ歓喜が伝わる。

そういうささやかな遊びが好きである。
冬の寒さは身にも心にも厳しく、それはまた人との繋がりを欲するきっかけにもなるであろう。


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あまりの喪失感なのかもしれない。
私の部屋の質量が減少した。
みーたんがいた存在感が消失して、空気が希薄に思える。

みーたんがベッドに上がれなくなって目に見えて調子が悪くなったのは10月。
そこから2ヶ月だった。
そもそも夏の終わり頃から唐突な老化を感じとっていて、それまでこの子はほんとうに死ぬんだろうか?と抱いていた間抜けな自問がさらさら優しく崩れていった。

トイレ以外で粗相してしまう事からはじまり、徘徊、隙間に挟まる、聞いたことのない低い声で唸るように鳴く、毛繕いや爪研ぎをしなくなる、これらが一時に症状としてはじまった。 
病院での血液検査は異常なし。
考えられるのは脳の異常。老化による認知機能の低下、いわゆる人間と同じ認知症かもしれないし、脳に腫瘍があるかもしれない。
それを調べる為にはMRI検査を行うしかなく、動物のMRIは高額になることと全身麻酔が必要なこと、高齢のみーたんへのリスクがあることを獣医師から聞いた。

13歳。私はMRIを受けることなく介護することを選んだ。
その選択の是非を問うても命終えた今になっては無意味であろう。
しかしみーたんが10歳に届かぬであったなら私はMRI検査を受けていたと言える。

無常である命の衰退をこの2ヶ月見つめ続けた。
足がよたつき、倒れてしまうと起き上がれなくなってしまった姿。
粗相したおしっこの上に倒れて起き上がれずにいるみーたんを、私が目覚めて気づいた時の胸に迫った苦しさ。
シャワーで洗ってドライヤーする間も大人しく為されるがまま。
あんなに嫌がり怒っていたみーたんだったのに。

そうみーたんは女王様であった。
自分が一番であり、私をしか好きではなく、自分の気にくわない時には私にさえも牙を余裕で剥いた。
そうかと思えばやはり私の事が死ぬほど好きなので、私がそばに寄るだけでゴロゴロ喉を鳴らし、いつでもどんな態勢の私にもベッド扱いをする。
生後二週間あまりで捨てられ死にかけだったみーたんを拾った時を、とてもよく覚えている。
拾い上げた瞬間鳴き止むみーたんを見て、この子は私のものだと思った。

みーたんに変調をきたしてから、喉をゴロゴロ鳴らすこともなくなってしまったのが何より寂しかった。

亡くなる数日前、私のお腹によたつきながらのってきたみーたんがいた。
帰宅すると玄関でお出迎えするかのようにいて、近頃の様子で言うとあり得ないことだった。
それでも「良くなるかも」と私は思えなかった。

三匹から二匹になった変化を、残された芥と拾ちゃんがどう感じてるのかは分からない。
ただ生きてないみーたんを安置してるとき、二匹がもうみーたんを生きてるものと認識していないことは確かだった。

私の精神が病んで綻んでいたときもみーたんはそばにいて、みーたんが死んだら私も死ぬと割りと本気で考えていた。
私は死んでないしみーたんは生きてない。

暗いところに帰っていっただけ。
眠り続けているだけ。
生きていくための機能を失ったみーたんを見て、思ったこと。

猫は偉大である。猫を愛する人間にとって。


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整理仕切れず、とにかく自分の心を言葉にしたかったものなので、読んでくれた人へ。ありがとう。





今のせいにして未来を手放す必要もなければ、過去に引きずられて今を崩す必要もない。

見えないもの、分からないもの、終わったもの、変えられないもの、とかく今を苦しむ要因はどこにでもなんにでもある。
だからって私達は私達でしかないし、見上げれば空があって月が沈めば太陽がのぼる。
私は真夜中の、天辺に位する小さな月を愛する。心底愛する。
自分のいる此処が、まがうことなき宇宙の底だと思えるから。安心できる。ちっぽけな自分だと思えばそんなに頑張って生きるものではないと安心できる。

すべてに意味や理由を探る必要もない。
あなた達が女性上位や崇拝する事だって、そうであるからそうであるだけ。
とは言え私にしたって一人で女王様でいられるわけではなく、マゾ諸氏がおらねば成り立たず、女王様とマゾのあいだには対等な力関係が発生していると私は思っている。
位置関係は上と下で圧倒的に差があるのは言わずもがなである。

とにかく君臨していたい。私が気持ちいいから。
気づけば足元に誰かがいることは多々あって、それは私が今まで女王様として歩んできた証であるはずだし、そのような自分とあなたたちを愛しく思う瞬間でもある。

離れていく者や諦めていく者もいる。
その都度、実は心がちょっぴり痛む。
しかし私は歩みを止めない。

以上


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終われない物語を持つ者は、強い。







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