2020年07月
位階剥奪
自分の過去を辿る。
自分と対峙する。
置き忘れた何かや置き去りにした記憶の一部、直面したくない昔に抱いた感情。
色んな思いを綯交ぜに、私は少女時分に暮らした土地へ向かうことを決意した。
短い旅である。
その土地で生きた十年足らずの時間は私の内部奥底で、いまだ暗い熾火を燻らせている。
消し炭となるか、さらなる炎を燃やすか。
その地へ向かう前に母の骨を納めた寺へ行った。
随分久しぶりに足を運んだはずなのに、やはり来て良かったという思いは抱かなかった。
そもそもが後ろ向きな思いではじまった旅で、今なお何故自分がそうしたかったのか判断しかねている。
二十年ぶりだった。
かつてあった田んぼは打ち捨てられ、軽自動車しか侵入できぬ狭い道路で区画された狭い民家の並ぶ場所。
息の詰まるような土地だった。
私が住んでいた借家はまだ存在し、誰かが生活をしているようだった。
端的に言って、何も無かった。
このこころに得られるものは何一つ無かった。
だから言ったじゃないか、と少女だった私が泣き叫んだ気がした。
もやもやした胸のわだかまりから逃れたくて山へ向かった。
登山口まで来たときに、過去と決別したかったのかも知れないと気づいた。
気づいてそして、そんなことはどうだっていいとも知った。
結局すべての生きてきた過去なる時間を内包している、私は。
時間と空間ともに存在するのは現在だけで、過ぎた時間は失ったも同然である。
そして失ってはじめて記憶の構築となるのかもしれない。
明日には忘れる事が多すぎる。
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底の見えない絶望
私は底を愛してる。
水底を。
しかし、底の見えない絶望、という表現を本の中に見つけたとき小さなショックを覚えた。
底にいると自覚できていればそれは心地よい安心とも言える。
ただ見上げればそこに世界はあるだけなのだから。
今の自分がどこにいるのか、さらに奥深く下へ沈んでしまうのか、その底がどこまでも暗く見透せぬとなれば
それは恐怖でしかない、と。
深淵に世にも恐ろしい化け物がいない、と誰が言えようか?
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音が遠くなる。
私は退廃的な女なので煙草吸いながら掃除をしたり、森を恋しく思いながら水草やカジュマルの木をメンテナンスしたり、猫たちの毛に悩まされながら生きてます。
とは言え、確実に、日常を装った変化がそこかしこに潜んでいるのです。
日本人は気質的に堅実で慎重だから、それを受け入れられるのです。恐らく。
怖くてたまらない夜なんかは、銭湯の水風呂に沈みながら泣いてます。
意識が水に変容していくように流れる瞬間が、とても心地いい。
視界がキラキラして水の輪がよく見えて、あぁもう後一歩で私はどこかへ行く。
そこから目眩。
サウナ用語で整うと言われていると先日初めて知りました。
サウナと水風呂を何度も往復することでINTO THE トランス状態。
私の表現するところの脳内射精。
身体に負担が大きいのであまりおすすめはできません。
だけどどこかへ自分の身を委ねきる心地よさが知りたいのなら、私のもとへいらっしゃい。
▲縛って、のる。
▲吊って、のる。
夏は嫌いよ。
殺したい。
掴めそうで手を伸ばして。届かないね永遠にね。
在る日の出来事。
有耶無耶語る。
バスルームって大好き。
床の冷たいタイルに横たわって、よくひとりで煩悶としていた時がある。
水の滴となってぴちゃん、と落ちる音と様子を小一時間も見続けてられる。
好きなものをたくさん持つことは、死への欲求から遠ざかる為にとても有益である。
そして私の好きなものの世界へ、ひとつの要素として組み込まれるのだとしたら、それはあなたたちにとってとても幸せでしょう。
ただし性的に好むものなどは、考えるのもおぞましい。
好き勝手にできれば、それで最良。
そんな夏のはじまり。
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七月の傀儡堂出勤について。
金曜日・土曜日の出勤で、前日予約のみで御座います。
別の曜日希望であれば、一度問い合わせくださいまし。
私はここにいますよ。
あなたが思うなら。