水と火。
清浄なるものでありながら、甚大な自然災害をももたらすもの。
まさに畏怖。
私は畏怖の念というものがとても好きだ。
怖れ敬う。
そして森羅万象を感じるとき、自然に生かされていると胸に迫る思いを抱く。
風、陽光、草木、夜、月、星、土、川、それらすべての感触と匂いと音の心地。
感覚器官たる五官が粛々と生身に感じられるとき。
美しい。
自然世界は美しい。とはまさに地球は美しいと呼ぶに等しい。
人間であるがゆえのこの衝き動かされる感性なのだとしたら、人間である我が身ももはや美しい。
夜を吸い込めば夜を吐息のように吐き出すし、星月夜が降りてくるようにどうかすると夜に同化する。
木々の葉影と星月夜。
ゴッホとムンクの星月夜を愛する私は、脳内射精不可避の自然絵画である。
すべてを内包する夜はすき。
すべてのはじまりの朝もまた美しい。
ただでさえ感じ入りやす私が一際、世迷う夜の森。