脳イキだとか言うけれど、私は十代の頃から音楽でイクことができた。
イク、つまり到達すること。
それを私は脳内射精と呼ぶ。
SM嗜好者において限定的なシチュエーションでなければ興奮できないという人達がいるでしょう。
女性に顔を踏んでもらわなければ、ストッキングを履いた足でなければ、男性器を小さいと詰られなければ。
それらのように、私が音楽でイク場合にはセッティングが大事である。
とは言ってもいとも簡単なことで、まず仰向けに寝ころび、ヘッドフォンを装着する。
そして自分の思う気持ちがいい音楽を聴く。
脳から脊髄にかけての神経に集中するだけ。
しかし当時ほどの情動性が今はない。
若かった頃の生きるために何かにしがみつこうとする貪欲さがない。
音楽で気持ちよくなれることには変わりないけれど、それがないと興奮できない、という変態性は失している。