自分の過去を辿る。
自分と対峙する。

置き忘れた何かや置き去りにした記憶の一部、直面したくない昔に抱いた感情。

色んな思いを綯交ぜに、私は少女時分に暮らした土地へ向かうことを決意した。
短い旅である。

その土地で生きた十年足らずの時間は私の内部奥底で、いまだ暗い熾火を燻らせている。

消し炭となるか、さらなる炎を燃やすか。


その地へ向かう前に母の骨を納めた寺へ行った。
随分久しぶりに足を運んだはずなのに、やはり来て良かったという思いは抱かなかった。

そもそもが後ろ向きな思いではじまった旅で、今なお何故自分がそうしたかったのか判断しかねている。

二十年ぶりだった。
かつてあった田んぼは打ち捨てられ、軽自動車しか侵入できぬ狭い道路で区画された狭い民家の並ぶ場所。
息の詰まるような土地だった。

私が住んでいた借家はまだ存在し、誰かが生活をしているようだった。

端的に言って、何も無かった。
このこころに得られるものは何一つ無かった。
だから言ったじゃないか、と少女だった私が泣き叫んだ気がした。

もやもやした胸のわだかまりから逃れたくて山へ向かった。
登山口まで来たときに、過去と決別したかったのかも知れないと気づいた。
気づいてそして、そんなことはどうだっていいとも知った。
結局すべての生きてきた過去なる時間を内包している、私は。

時間と空間ともに存在するのは現在だけで、過ぎた時間は失ったも同然である。
そして失ってはじめて記憶の構築となるのかもしれない。


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明日には忘れる事が多すぎる。




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