いやらしい話ではないけれど、脳内で至上の気持ちよさを体感する話である。

銭湯。命の湯。心の湯。
随分前にも話したけれど、私は水でイケます。
正確には水のなかで。水中で。

サウナ、もしくはお湯で身体をあたためたあと水風呂に浸ります。
それだけ。
ただただそれだけ。
水に感謝する。
水を愛しいと思えるこの身に感謝する。
神様、ありがとう。

大事なことは、水風呂に浸り続けること。
一定の時間を経ると、身体の感覚が失われる。
胸のあたりがすーっと冷たくなっていき、なぜか頭のてっぺんあたりがぼうっと熱を持つ。
すると、不思議な事に、視界が透明になる。
透明。クリア。あんなに美しい透明でいて青みを帯びた世界、知らない。
(ちなみによく村上龍を好きかと聞かれるが、読んだことない)
どんどん、どんどん見えてくる。
視界が透けて透けて、世界がどんどんよく見える。
水のむこうの自分の肌の白さと、そこに浮く青あざ。

あぁこれ、瞳孔が開いてきてるんだと知る。
キンキン。
冷たい水のなかで私、キンキン。
目を閉じると音までが透明に聞こえる。
そうしてそのうちクラクラしてきます、そうそれは目眩。
ここらでいったんお湯へ移動。

するとどうでしょう。
お湯のなかでも私、ギンギン。
今度は視界が真っ赤っ赤。
熱い。
脳内が熱い。
なのにお腹のあたりが冷たくきりきり。

そしてまた目を閉じる。
水のなかとおなじ、音が透明に耳から脳内へ響く、あれが、あれがとてもすき。
水の流れる音、シャワーから落ちる水の音、人々の所作からでる桶のカコーンという音すら気持ちいい。

気持ちいいのです。

わかりますか?
わからないでしょう、だから私はとても幸せなのです。

おわり。


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